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桃田万里子×福博充:「トンペン×ジャニヲタ 私たちは何を見ているのか?」第6回

日産スタジアム3daysが発表されるなど前人未到の領域を進む東方神起。
King & Princeがデビューするなど大きな変化があったジャニーズ事務所。
それぞれの熱心なファンである両者が、ファンとは何か?を語る、
ちょっとアカデミックな異色対談です。

目次

第1回■両ファンクラブに見る「自主」と「管理」
第2回■KPOPは、どこかで「異文化だからなんでもある」と思っていました。
第3回■究極のジャニヲタは、ジャニーズJr.を愛せる人たち?
第4回■私たちは「置かれた場所で咲きなさい」が好き!
第5回■アイドルと事務所は、花魁と置屋の関係に似ている
第6回■「メッチャ近いのにまだ双眼鏡で覗く人がいて、欲が深いと――」(桃田)
         「この間、同じこと言われました(笑)」(福)
第7回■「特等席で見られる、これが幸せな瞬間なんだと気づいたんです」
第8回■見られることに慣れていない私たち
第9回■ジャニーズの虚構とSMの虚構

【福博充(ふくひろみつ)】
東京大学大学院総合文化研究科「多文化共生・総合人間学プログラム」勤務。嵐の櫻井翔を見てジャニヲタの道へ。現在はJr.坦。男でありながらジャニーズにハマってゆく気持ちを『東大院生、僕、ジャニ男タです!』(2014年/小社刊)に記した。

 【桃田万里子(とうだまりこ)】
近代日本文学専攻。大学の非常勤講師をつとめた後、現在は別の仕事に従事。『東方神起 ユニゾンの瞬間』(2017年/小社刊)がある。

 


  

6回■「メッチャ近いのにまだ双眼鏡で覗く人がいて、欲が深いと――」(桃田)

「この間、同じこと言われました(笑)」(福)

 

桃田万里子(以下・桃):ちょっと笑っちゃったのが、皆さんが『タッキー&翼』のDVDを見ていたときに「ヒー、孕むね、これは!」みたいなことを言っているシーン。

福博充(以下・福):今でも言いますね、今は二十の子を応援していて「二十歳の男ができた」って普通に言う友人もいます。

:「ちょっと実感できるレベルを超えている」と書かれているじゃないですか。それは東方神起でも、セクシーな(時があると)私、受胎したかも、みたいなことは言うわけですよ。それはまぁ、分かるんですね。それは私たちが異性だから見ているときにどこか理想の異性像として見ていると思うんです。恋愛的な要素を含めつつ見ているからだと。でも、私、椎名林檎やBOAちゃんがすごい好きなんだけど、私が彼女たちを見ているときに、男性ファンが何て言っていただろうか、と置き換えてみようとするんですけど、よく分からない。福さんは、ああいうふうになりたいと思ってアイドル(Jr.)を見ているんですか? それともお父さん目線みたいな感じですか。

:昔はなかったですけど、今はそうですね、例えば東京B少年のJr.とかだと〝は~、大きな子に育ってほしいな〟っていう期待を胸に――。

:可愛いなと思って見ている。

:いわゆる王道、約束された、プロミッシングみたいな扱いを受けるJr.というのは関東であれ、関西であれ、いるんですね。それが大きくなったのがSexyZoneの中島健人。山田涼介もそうでしょう。いわゆるこれが王道。例えば関西だと西畑大吾とか大西流星、そのあたりはわかる。ただ、私自身はそこには興味がないんです。王道路線でないけど必要な人たち、というのを見たいんです。

:必要って、何に必要なんでしょう?

:王道派を残すためかもしれない。Jは中心の王道派がいないとダメなんですよ。とにかく王道の文化を残す。この王道派と傍流派の相互補完関係が好きです。名脇役。その名脇役の方が私は好きですね。例えばダンスをそつなく踊る人はダメなんです。ある部分がすごく過剰であったり、それダメじゃない?というほど目立っていると、あの子、名前なんていうんだっけって、目に止まる。

:〝見たい〟んですね。私も、見ることは見るんですけど、私、東方神起のライブ、けっこう目を閉じて見るんです。双眼鏡を持って行ったことは1回もないんです。

:ええ!! どんなに近くてもほぼいつも持っていますよ!

:すげえプレミアムシートで、メッチャ近いのにまだ双眼鏡で覗く人がいて、欲が深いと――。

:この間、同じこと言われました(笑)。

:深すぎる。私、あえて目を閉じて耳だけで聞くのが好きです。〝見る〟じゃないくて〝聞く〟。福さんの本は、曲の話が出てこないし(笑)、歌詞の話も出てこない(笑)。ステージの話も出てこないなぁって……読んでいて気づいたんです。

:その曲を〝歌う人たち〟を見ているので。

:ですよね。私が東方神起ファンのスタンダードって訳ではないですが、これを読んでいて何か違和感があると思ったら、音楽の話が1回も出てきていないぞって思ったんです。

編集部・石井(以下・石):声の話も出てこないですね。

:何年何月にこのCDが発売されて、この曲の何が良いというのも出てこない。それがたぶん、アイドルなんだって思ったんです。そうなるとCDがグッズ化するだろうなと。音楽もグッズ。アイドルの存在ありきで。その人の存在を賞味するためにダンスや音楽があるので、これがアイドルなんだろうなと。アーティストとして見ると、やっぱり音楽やダンスは絶対欠かせなくなってくる、と。私、音楽のことメッチャ書きますからね。

:もちろんそういう見方をしている、ちゃんとしたファンもいらっしゃいます。とくにグループのファンはそれが強いかもしれない。1枚ずつCDがリリースされるじゃないですか。でも私はまったく、そういう見方をしていないですね。




次回続く

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