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桃田万里子×福博充:「トンペン×ジャニヲタ 私たちは何を見ているのか?」第7回

日産スタジアム3daysが発表されるなど前人未到の領域を進む東方神起。
King & Princeがデビューするなど大きな変化があったジャニーズ事務所。
それぞれの熱心なファンである両者が、ファンとは何か?を語る、
ちょっとアカデミックな異色対談です。

目次

第1回■両ファンクラブに見る「自主」と「管理」
第2回■KPOPは、どこかで「異文化だからなんでもある」と思っていました。
第3回■究極のジャニヲタは、ジャニーズJr.を愛せる人たち?
第4回■私たちは「置かれた場所で咲きなさい」が好き!
第5回■アイドルと事務所は、花魁と置屋の関係に似ている
第6回■「メッチャ近いのにまだ双眼鏡で覗く人がいて、欲が深いと――」(桃田)
         「この間、同じこと言われました(笑)」(福)
第7回■「特等席で見られる、これが幸せな瞬間なんだと気づいたんです」
第8回■見られることに慣れていない私たち
第9回■ジャニーズの虚構とSMの虚構

【福博充(ふくひろみつ)】
東京大学大学院総合文化研究科「多文化共生・総合人間学プログラム」勤務。嵐の櫻井翔を見てジャニヲタの道へ。現在はJr.坦。男でありながらジャニーズにハマってゆく気持ちを『東大院生、僕、ジャニ男タです!』(2014年/小社刊)に記した。

 【桃田万里子(とうだまりこ)】
近代日本文学専攻。大学の非常勤講師をつとめた後、現在は別の仕事に従事。『東方神起 ユニゾンの瞬間』(2017年/小社刊)がある。

 


  

7回■「特等席で見られる、これが幸せな瞬間なんだと気づいたんです」

 

桃田万里子(以下・桃):これはよく周りの人に聞くのですが、福さんにとって好きなアイドルとどういう関係になることが幸せですか?

福博充(以下・福):死ぬまで、この状態のままです。チケットが当たらないので、チケットが当たって欲しい。その上で、このまま、向こうも年をとるんですけど、自分も年をとってゆく。

:そのアイドルと友達になりたいとかは?

:うーん……、どういう友達になるのかが想像できないですね。

:まあ、そうですよね。

:やっぱり「ステージの上の」その人の方が好きかな、っていうのがありました。

:女性のファンだったら妄想ラブストーリーみたいなものがありますよね。

:あ、夢には出てきますよ。家庭教師をしていました。

:私はね、文化祭で「今度、あるバンドが出る」みたいなことを言われているんだけど、そのステージまで辿り着かなくて、どこだろうと探していたら、楽屋みたいなところにバタッと当たって、そこにちょうど東方神起がいた、みたいな。ああ~~!!すいません!と出て行こうとしたら「いや、1曲歌ってあげるから、聴いていってよ」って言われて「ええ!いいんですか?!」みたいな夢なら、見たことあります。

一同:(笑)。

:何でそういうことを聞くかというと、たまたま私のお友達で、仕事関係で彼らを知っている方がいて「万里子さん、2人に会いたい?」って聞かれたことがあったんです。それは会いたいですよね。でも、会ったら私は幸せだろうか?とすごい考えた。自分が会いたいユノとチャンミンって何なんだろう?ってすごい思ったんですね。結婚したいとか、彼氏になりたいとか、そういうわけじゃない。現実問題としてどうしたいのか、すごい考えてみたら、彼らのパフォーマンスを特等席で見られる、これが幸せな瞬間なんだと気づいたんですよ。

:まったく同じです。

:ですよね。つまり私はファンでありたいんだ、と。そのときから自分の立ち位置がハッキリしたというか。私は彼らの仕事仲間になりたいわけでもないし、友達でもないし、彼女でもないけど、友達や彼女では絶対出来ない仕事がある。ファンしか出来ない、観客しかできない仕事があって、それは〝眼差す〟こと、聴くこと。観客がいなかったらパフォーマンスする意味がないわけじゃないですか。誰もいないステージで、踊ることほど、ミジメなものはないし、誰にも〝眼差さ〟れないとわかっているところで、歌えないし、踊れないじゃないですか。そういうことがすごくハッキリ見えてきて、じゃあその特等席に座るときのために、ファンをやっていこうと思った。

さっきジャニーズJr.のお話で、見守って育てていく、人によってはそれが完了するところで卒業していくというのがあるんだけれど、それに対して、私は東方神起のファンだからなのか、アーティストとして見ているからか、成長じゃなくて東方神起の〝終わり〟を見たいんです。最後のステージを見たい。

「読んで」いるんです。小説は終わらないと、どんな物語だったか分からないじゃないですか。福さんって、やっぱり〝眼差して〟いるんですよね。見ているんです。私は〝読んで〟いる。すごく。私が文学の研究というフィールドで、読むことをやってきたから、彼らのことを読んじゃうのかもしれないんですけど。それを石井さんに言った時に、「これから第三幕が始まるのに、終わりを見たいなんて、なんてこと言うんですか?!」と窘められたんですよ。私、湿っぽいことを言ったのではなく、やっぱり「読んで」いるから終わりが知りたいんです。

:私の〝終わり〟は、ジャニーさんがいなくなった時。メリーさんも大きいと思うんですけど、ジャニーさんがいなくなったらショックは大きいと思います。そのアフター喜多川を見ることができるか自信がないです。新しいジャニーさんみたいな人がJr.を選び続けるとしても、果たしてそれでジャニーズと言えるかどうかはちょっと……、私が好きなのは、じつはこのジャニーズ事務所という体制なのかもしれない。だからジャニーさんはいつまでも君臨して欲しいという思いがあります。ご本人は多分、最後までJr.を探し続けると思う。

:私はイ・スマンさんがいなくなっても泣きません(笑)。私は自分が何を見ているのか、彼らのステージに何を見、何に感動しているのか、終わらないと語れないと思うんですよね。東方神起はある意味、1回区切りが来ていて、それが例えばツアー『WITH』だった。一体感があってという話を書いたんですけど、あ、これだ、というものがやはり最後に来るんですよ。集大成が。彼らだって、これで2年間休むということがわかっていた。ある意味、擬似終わり体験ですよね。その終わりの日が、本当に来る瞬間を見たい。私は何を読んでいたのだ?っていうことを知りたい。最後のステージというものがあるとして、きっとその時に、初めて私はこれを見たくて来ていたんだろうな、と分かる気がする。




次回続く

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